歯を抜く矯正、抜かない矯正 - 宮崎台やすい矯正歯科クリニック

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宮崎台やすい矯正歯科クリニック

歯を抜く矯正、抜かない矯正

抜歯か非抜歯か

exit17.jpg矯正治療方針を決定する上で永久歯抜歯を行うことがありますが、患者さんにとって永久歯を抜歯することは重要な問題であり、歯を抜かないで矯正治療が行なえればそれにこしたことはありません。ですが上下顎骨の中に歯を過不足なく排列することが矯正治療の目的とすれば、無理矢理、歯を抜かずに矯正治療をすることで、歯を支えている歯槽骨から歯が飛び出してしまい、上下前歯の過度な前方傾斜が起こることがあります。そのようなことを避けるために、不正咬合の状態によっては歯を抜いて矯正治療をする場合も少なくはありません。

歯のデコボコやデッパリを改善する方法

1) 永久歯抜歯
通常は小臼歯(2~4本)を抜歯します。永久歯抜歯をして隙間を作り、その隙間を利用してデコボコの改善や前歯のデッパリを後ろに引っ込めたりします。
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初診時:上下顎歯ともにデコボコがあり、さらに口元の突出を認めます。診断としては上下左右の小臼歯を抜歯(合計4本)して歯を移動するための隙間を獲得し、矯正治療を行なうことにしました。

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抜歯後、矯正装置装着:小臼歯4本抜歯をして獲得した隙間(緑丸)を利用して歯を動かしていきます。

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治療終了時:抜歯による隙間を完全に閉鎖し、上下顎の真ん中も合わせて矯正治療を終了しました。

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2) 奥歯の後方移動
お口の中に奥行きがある場合(親知らずを先に抜歯してスペースを獲得する場合もあります)には、小臼歯抜歯をせず奥歯を後方に移動することで歯を並べる隙間を獲得します。


上顎奥歯の後方移動(小児矯正)

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反対咬合の女児です。上顎を前方に引っ張る装置を使用して前歯の噛み合わせを改善しました。次の問題としてデコボコの改善が必要であり、前方に位置している上顎奥歯の後方移動を行ない非抜歯(歯を抜かないこと)にて矯正治療を終了しました。本来、反対咬合でしたので思春期成長終了(16歳頃)までは経過観察をおこない、再評価後全部永久歯矯正治療を行なうことを決定していきます。

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左から順(1→5)に治療経過を示します。犬歯が著しくデコボコになることが認められます(写真1→3緑丸)。このデコボコを改善するために奥歯を後ろに動かし隙間を獲得します(写真1→3青丸)。獲得された隙間に歯を動かし犬歯のデコボコを改善します(写真4→5緑丸)。


上顎奥歯の後方移動(永久歯矯正)

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上顎左側犬歯が八重歯の患者さんです。歯を排列するための隙間を獲得するために、上顎側方拡大と上顎両側奥歯の後方移動を行ないました。上顎に隙間が出来たところでハリガネ矯正を行い非抜歯(歯を抜かないこと)にて治療を終了しました。今後は、経過観察を行ない上下歯列の安定を確認していきます。

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左から順(1→5)に治療経過を示します。八重歯が認められます(写真1緑丸)。この八重歯を改善するために奥歯を後ろに動かし隙間を獲得します(写真2→4緑丸)。ハリガネ矯正にて獲得された隙間に歯を動かし八重歯を改善します(写真4→5緑丸)。


下顎奥歯の後方移動(小児矯正)

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下顎前歯デコボコの男児です。歯を排列するための隙間を獲得するためと下顎奥歯を左右対称に位置付けるため、下顎左側に下顎後方移動装置(アップライトジェット)を使用しました。下顎奥歯の後方移動が済んだところでハリガネ矯正を行い小児矯正治療を終了しました。今後は、思春期成長終了(16歳頃)までは経過観察をおこない、再評価後全部永久歯矯正治療を行なうことを決定していきます。

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左から順(写真1→5)に治療経過を示します。右下前歯に著しいデコボコが認められます(写真1青丸)。前歯にハリガネ矯正を行い排列をしました(写真2青丸)。ですが、単に前歯の排列をしただけで隙間不足を先送りにして、根本的な隙間不足の改善をしていないために左下犬歯にデコボコがおこりました(写真2、3赤丸)。このデコボコを改善するために左下奥歯を後ろに動かし隙間を獲得します(写真2→4緑丸)。獲得された隙間に歯を動かし犬歯のデコボコを改善します(写真4赤丸)。左下奥歯の後方移動により下顎前歯、犬歯を並べるための隙間を獲得し非抜歯にて歯の排列を達成しました(写真5)。


下顎奥歯の後方移動(永久歯矯正)

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下顎前歯デコボコの患者さんです。歯を排列するための隙間を獲得するために、下顎後方移動装置(リップバンパー)を使用しました。ある程度、下顎奥歯の後方移動が済んだところでハリガネ矯正を行い全部永久歯矯正治療を終了しました。今後は、経過観察を行ない上下歯列の安定を確認していきます。

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左から順(1→4)に治療経過を示します。下顎前歯に著しいデコボコを認められます(写真1緑丸)。このデコボコを改善するために奥歯を後ろに動かし隙間を獲得します(写真2→3緑丸)。その後、ハリガネ矯正治療にて歯の排列を行ないました。(写真3→4緑丸)。

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3) Inter Proximally Reduction(IPR)(永久歯矯正のみ適用)
僅かなデコボコだったり、抜歯矯正だと抜歯スペースが余ってしまうが非抜歯矯正だと歯を排列するのに困難な場合、小臼歯抜歯せずに4~8本の歯の両脇を少し削ることで(片側0.2~0.3mmづつ)歯を並べる隙間を獲得します。尚、IPR単独ではなく上下奥歯の後方移動と併せて行うことが多いです。
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左から順(1→3)にIPRの手順を示します。目的の歯だけを正確に削合するために青いゴムを挿入し、歯の間に僅かな隙間を作ります(写真1)。1週間後、青いゴムをはずし僅かな隙間を獲得した状態です(写真2)。研磨用の極細バーにて歯の間を削合した状態です(写真3)。

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僅かなデコボコと上顎前突の患者さんです。歯を排列するための隙間を獲得するために、上顎奥歯の後方移動とIPRを行ないました。隙間が十分に獲得されたところでハリガネ矯正を行い全部永久歯矯正治療を終了しました。今後は、経過観察を行ない上下歯列の安定を確認していきます。

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左から順にIPR前(写真1)、IPR後(写真2)の写真を示します。目的の歯だけ(緑丸)をそれぞれ0.3mm削合し僅かな隙間を作りました(写真1→2)。その後、作った隙間はデコボコを改善するために利用しました。

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4)拡大
ほとんどの不正咬合には歯並びの横幅が狭いという問題を含んでいます。顎の骨自体や歯の並びが狭く内側に傾いていると歯を並べるための隙間不足が生じます。そこで、お口の中の横幅を広げて歯を並べるための隙間を獲得する必要があります。お口の中を広げるための代表的な装置には、緩徐拡大床、拡大ワイヤー、急速拡大装置があります。当院にて多くの患者さんに使用しています急速拡大装置(RME)は、高校生までであれば、上顎骨の真ん中に存在する上顎正中縫合といった骨のつなぎ目を容易に広げることが可能で、上顎を骨から大きくすることが出来ます。

拡大床(小児矯正)
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上下顎に僅かなデコボコが存在する患者さんです。歯を並べる隙間を獲得するために、緩徐拡大床を使用して上下顎の横幅を広げました。この拡大床は食事、歯磨きの時などに患者さん自身で取り外すことが可能です。隙間が十分に獲得されたところでハリガネ矯正を行い小児矯正治療を終了しました。今後は、思春期成長終了(16歳頃)まで経過観察をおこない、再評価後全部永久歯矯正治療を行なうことを決定していきます。


拡大ワイヤー(小児矯正)
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上下顎に僅かなデコボコが存在する患者さんです。歯を並べる隙間を獲得するために、拡大ワイヤーを使用して上下顎の横幅を広げました。この装置はハリガネ矯正治療と同時に行なうことが可能です。この拡大ワイヤーは患者さん自身で取り外すことは出来ません。治療効果により、隙間が十分に獲得されたところでハリガネ矯正を行い小児矯正治療を終了しました。今後は、思春期成長終了(16歳頃)まで経過観察をおこない、再評価後全部永久歯矯正治療を行なうことを決定していきます。

急速拡大装置(永久歯矯正)
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上下顎のデコボコを伴う上顎前突の患者さんです。歯を並べる隙間を獲得するために上顎に急速拡大装置、下顎に拡大ワイヤーを使用して横幅を広げました。この上下の装置は患者さん自身で取り外すことは出来ません。横幅の改善がされた後、上顎前突に対する治療のため上顎奥歯を後方に移動し隙間が十分に獲得されたところで、ハリガネ矯正を行い全部永久歯矯正治療を終了しました。今後は経過観察を行ない上下歯列の安定を確認していきます。

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急速拡大装置を装着し側方に拡大する前の状態です。赤矢印の間の骨が閉じた状態です(写真1-1)。2週間で6mm側方に拡大しました。赤矢印の間の骨が開いた状態で、それに伴い上顎前歯の間に隙間ができました(写真2-1)。1ヶ月後、赤矢印の間に新しい骨でができ一時的にできた隙間がなくなりました。これは側方に拡大した上顎がもとの狭い状態に戻ったわけではありません。また前歯の隙間も新しい骨ができると同時に自然に閉じました(写真3-1)。


■成人の側方拡大

急速拡大装置(成人歯矯正)
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上下顎デコボコの成人患者さんです。歯を並べる隙間を獲得するために上顎に急速拡大装置を使用して横幅を広げ、さらに永久歯抜歯(合計4本)も行ないました。横幅の改善がされた後、ハリガネ矯正を行い全部永久歯矯正治療を終了しました。今後は経過観察を行ない上下歯列の安定を確認していきます。

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成人の場合、上顎側方拡大を行なうのに急速拡大装置だけでは行なえず、全身麻酔下にて手術を併用しなければなりません。また4日程の入院が必要です。急速拡大装置を装着し側方に拡大する前の状態です。赤矢印の間の骨が閉じた状態です(写真1-1)。2週間で9mm側方に拡大しました。赤矢印の間の骨が開いた状態で、それに伴い上顎前歯の間に隙間ができました(写真2-1)。1ヶ月後、赤矢印の間に新しい骨でができ一時的にできた隙間がなくなりました。これは側方に拡大した上顎がもとの狭い状態に戻ったわけではありません。また前歯の隙間も新しい骨ができると同時に自然に閉じました(写真3-1)。

上顎側方拡大骨切り線の位置
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成人患者さんの場合、上顎の骨のつなぎ目は強固に付いているため手術にて青点線の部位の骨に切れ目を入れ、上顎骨が拡大し易いようにします。

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