診査・診断 EXAMINATION / DIAGNOSIS
側貌セファロの撮影
横顔のレントゲン写真です。不正咬合の状態が単に歯の位置のズレによる問題なのか、あるいは上顎や下顎などの骨格的な問題なのかを確認する必要があります。不正咬合が歯性あるいは骨格性かにより治療方針が異なってきます。
またこのレントゲン写真を定期的に撮影(最低1年間は間隔をあけます)し、重ね合わせることで治療の効果、成長発育の状態を確認します。
正貌セファロの撮影
正面のレントゲン写真です。歯や下顎の対称性を確認します。下顎は筋肉や靭帯によりぶら下がっている状態なので、上顎の横幅に問題があったり、上下の歯の生え方によっては、下顎が曲がってしまうことがあります。当然、顎がズレれば左右で噛み合わせの違いが出てきます。
オルソパントモの撮影
親知らずの存在、また過剰な歯、あるいは逆に歯の欠損、いわゆる歯の数の異常の確認をします。また、顎の関節の形も確認することができます。
手根骨の撮影
成長発育の段階を確認します。手の骨(足の骨)は成長に合わせて形、大きさを変えていくことが分かっています。成長の段階を知ることで、治療開始時期の決定や使用装置の効果を予測するのに役立てます。
歯型(模型の作製)
お口の型を取り(印象)歯型の石膏模型を作製します。同時にフェイスボートランスファーを行いに歯型を装着します。それにより上下噛み合わせの状態を360°全ての方向から見られる状態にして、客観的な評価を行ないます。
唾液検査
矯正装置を装着すると、虫歯菌が7~10倍に増え、当然虫歯になる可能性も高くなります。当院では、唾液を採取し唾液中の虫歯菌数を確認することや、唾液の緩衝能(食後、酸性状態になったお口の中を中性に変え、歯が溶けるのを防ぐこと)、フッ素の使用状況を確認することで、虫歯に対するリスクを判定します。
「SMT」を使用しており、5分という短時間で虫歯菌・酸性度・緩衝能・白血球・タンパク質・アンモニアの6項目の数値を把握することができます。
CT撮影
(乳幼児、学童児は必要な場合に限る)
個々の歯の状態を三次元的に診査したり、歯を支えている歯槽骨の状態を確認することで矯正治療に役立てます。また、顔面骨格全体を表示させて初診時の顎の変形や治療前後での治療効果の判定をおこな場合がります。
三次元的な診断コンテンツ
デジタル技術の発展により、矯正治療の診断方法は大きく変わりました。当院では開業当初から三次元診断を行っていましたが、2019年にCTを導入してからは歯根の抽出にも挑戦してきました。臨床応用に至るまで多くの苦労がありましたが、現在では簡単に実現できるようになり、三次元診断の精度も大きく向上しています。
従来は、歯冠のみを計測し、前後や側方のズレを三次元的に確認して診断していましたが、CTの導入により、上下顎骨・歯冠はもちろん、歯根まで抽出できるようになりました。これにより、設定した治療目標が現実的に達成可能かどうか、歯冠と歯根の移動状況を確認しながら診断し、治療に反映させています。例えば、歯が左右対称に並んでいるか、後方への歯の移動が骨から抜け出ないか、下の前歯の角度によって歯茎が下がらないかなど、安全に歯を移動させるための重要な判断材料となります。
歯を支える骨(歯槽骨)は、堅い皮質骨と比較的柔らかい海綿骨の二層構造になっています。歯は、骨からの血液供給によって健康を維持しているため、歯槽骨内に正しく並ぶことが理想です。しかし、矯正治療ではこの理想を達成することが難しいケースがあります。だからこそ、歯槽骨と歯根の三次元的な位置関係を診断できることは、非常に大きな意味を持つのです。前歯や奥歯など、歯の種類によって生えている状態が異なるため、僅かなズレについては、過度に心配する必要はありません。ただし、歯を抜きたくないあまりに、横に広げすぎたり、前に傾けすぎたりしないように気を付けなければいけません。
CT撮影は、歯科矯正の分野だけでなく、上顎洞炎の疑い、埋伏過剰歯の把握、親知らずの状態確認などにも役立ち、歯科医師にとって多くの利点があります。被曝を心配される方もいらっしゃいますが、頻繁に連続して撮影しない限り問題はなく、宮崎台やすい矯正歯科クリニックでは、被曝量の少ないCT撮影機を使用しているため、安心していただければと思います。
Treatment 治療の流れ
初診相談
- 顔、歯の写真撮影・診査
- 現状の説明
- 治療に関する質疑応答
- 治療方針の説明
- 矯正治療費説明(概算)
精密検査
- 頭部・歯のレントゲン撮影
- 手のレントゲン写真(小児のみ)
- 歯周病の検査(成人のみ)
- 歯全体のスキャン
- 顎の位置・動きの検査
- むし歯菌の検査
- 鼻呼吸(鼻の通り)検査
- プロービング検査
- 咬合管理
- CT撮影(永久歯列矯正)
診断
- 治療計画の説明
- 矯正治療に対するリスクの説明
- 矯正治療費報告
- 治療に関する質疑応答
治療
混合歯列期(小学生から)
- 矯正装置装着
- ハミガキの練習
- 矯正治療
(調整3~5週間に1度来院) - 永久歯への生え替わり状況、
成長発育 - 再精密検査
- 再診断
- 予後経過観察
(高校生まで)
永久歯列期
- 矯正装置装着
- ハミガキの練習
- 矯正治療
(調整3~5週間に1度来院) - 予後経過観察
(2年間)